事例紹介

廃業・町工場跡地

自動車工場の廃業

健康被害を抑えて、住居としての利用を可能に

調査契機

特定有害物質を取り扱っている工場は土壌汚染の可能性が高いため、工場の使用を廃止する場合に汚染状況を調査し、報告することを求められる場合があります。

自動車工場では、金属加工、金属洗浄、塗装作業、分解組立作業、給油作業等、工場ごとに作業内容が異なり、それによって汚染のおそれのある特定有害物質も大きく変わる傾向があります。

また、特定有害物質には含まれていないものの、油による汚染が確認されることもあります。油の臭いによって近隣の生活環境が悪化させる可能性もあるため、多くのケースで、調査義務がなくても土壌汚染状況調査の際に項目追加を行っています。

対象物質が多くなるほど、その分汚染が確認される可能性も高くなります。
土地の資産価値が減少するリスクに加えて、油の臭いがある場合は、近隣の住環境への直接的な影響も発生します。

調査内容

自動車工場で対象となる主な有害物質と用途
ベンゼン・鉛 ガソリン
テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、ジクロロメタン 塗装剥離剤、金属洗浄
カドミウム、六価クロム、水銀、セレン、鉛、砒素、ふっ素、ほう素 金属加工、塗装

対象物質は多岐にわたり、気体になりやすい揮発性の「第一種特定有害物質」は、表層調査で「土壌ガスの採取分析」を行い、重金属等の「第二種特定有害物質」は「土壌の採取分析」を行います。

汚染が確認された場合は、必要に応じて深度10mまでボーリング調査を行います。

自動車工場では、トリクロロエチレン、カドミウム、六価クロム、鉛、ふっ素等が検出されることが多く、汚染の平面範囲は局所的な場合もありますが、深度は大きく異なる傾向にあります。

調査にかかる期間は、約3カ月(資料調査1カ月、表層調査1カ月、深度調査1カ月)です。

なお、油は土壌汚染対策法の対象外であり、調査方法や基準値などに規定はありません。所有者と協議を重ねて調査および対策の仕様を決めていきます。

対策工事内容

完全浄化を目指すこともできますが、汚染状況や利用状況によっては表層部分のみの「掘削除去」や、「舗装」等による封じ込めも可能です。「舗装」は土壌上面をコンクリートやアスファルトで舗装し、汚染土壌との接触を遮断するというものです。

「直ちに健康被害が生ずるおそれがない」「土地を売却せず自身の住居を新築して居住する予定である」ことを前提とし、さらに、費用を抑えたいという希望がある場合は、上記の対策をご提案しています。

工期は、掘削除去0.5カ月に、外構工事で舗装等を行う期間が加わります。

土地を売却せず自身の住居として利用する場合、コスト負担を抑えるために土壌汚染を残しながらも健康被害を防ぐ対策を行うことで、引き続き住宅として利用することができます。

エコアティアは、自動車工場ほか様々な工場の調査・対策実績があります。お困りの方はお気軽にご相談ください。

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